こんにちは。
私は今年、大手日系エアラインのグランドスタッフを退職しました。
グランドスタッフってなに?ってたまに聞かれます。
グランドスタッフとは、空港で航空会社の地上業務を担当するスタッフのことを指します。主な業務には、以下のようなものがあります:
- チェックイン業務: 搭乗券の発行や荷物の預かりなど乗客が搭乗手続きを行う際のサポートを行います。
- ゲート業務: 搭乗ゲートでの乗客の案内や搭乗手続きのサポートを行います。搭乗開始や終了の案内、乗客の座席確認などが主な業務です。
- 到着業務: 到着した乗客に対して、荷物の引き渡しや案内を行います。
- 発券業務: 航空券の新規発券、変更、払い戻しなどのチケット業務全般を行います。
- その他のサポート業務: 乗客が快適に空港を利用できるよう、さまざまな案内やサポートを提供します。トラブルやイレギュラーが発生した場合には、乗客に適切な対応を行うことも含まれます。
エアラインのお仕事って、制服に憧れたり、キラキラした世界で多くの女性にとって憧れの職業ですよね。
私もその1人でした。
私はCA(客室乗務員)ではなくGS(地上係員)を選びましたが、そんな憧れの職業から退職に至った経緯についてお話しようと思います。
グランドスタッフになった経緯についてはまた長いお話になるので別記事にしようと思いますが、私の場合は自信満々で採用面接に挑み難なく合格、晴れて大手日系エアラインの制服を着てドヤ顔で空港内を練り歩いていました。
結論から言うと、退職を決めた理由は大きく2つ。
- 人間関係
- 仕事内容への不満
1.人間関係について
繊細でクソ真面目で気にしすぎる性格の私にはあまりにもストレスフルな日々でした。
入社当初から「あの先輩とあの先輩は要注意」「あの人が恐いらしいよ」そんな話ばかり耳にしていたため、ビビリの私には全員が恐く感じられ、常に怯えながらお仕事をする日々。
ちなみに挨拶を無視されることなんて当たり前。
なんであんなに不機嫌なんでしょうね。かわいそう。人生楽しい?って聞きたい。
中にはもちろん表面上すごく優しい方もいます。
なぜ表面上という余計な一言を付けるかというと、私が天使のように優しいと思っていた先輩でも、すごく機嫌の悪い日があったり、誰かの悪口を言っていたり、そんなこともあったからです。
まあ誰しもイライラしたり、機嫌の悪いときぐらいありますよね。
独り立ちして半年ほど経って、大体の社内の上下関係や人間関係を理解し、自身に任される仕事内容も増えてきた頃、私のストレスは限界に達しました。
まず、私達グランドスタッフは飛行機をなんとしてでも定刻で出発させなければいけない。
新人の頃は常に周りに先輩がいて、助けを求められる環境であったのが、時が経つにつれ先輩に聞きづらい、そもそも周りに誰もいない、担当係員が自分一人だけのポジションもあったりします。
自分のミスや不手際で飛行機が遅延するなんてことがあったらどうしよう。
先輩にバチボコに叱られて、謝って、レポート書いて?
私の弱い心はそんなプレッシャーに常に押しつぶされそうでした。
グランドスタッフって、想像以上に覚える知識量が膨大で、ルールもほんっとうに細かい。
命を預かるお仕事ですから当然ですが、テキトーな私は正直「そんなんもうええやん。」って思うことばっかりでした。
学んでも学んでも、まだまだ分からないことばっかり。いつまでも果てしないブラックホールです。
私はクソ真面目な性格なので、他の誰よりも真剣に教育を受けている自信があったし、教育内で学んだことに関しては、時間はかかるかもしれないが何でも対応できる自信もありました。
それでもやっぱり対応方法が分からない事象に当たる日々で、こんなに勉強してもまだ私の知識なんてほんとにちっぽけなんだなと。なんだかやる気がなくなりそうになったり。
分からないことや不安なことはどんどん先輩に聞けばいいじゃないですか。そうやって成長していくものでしょう。と誰もがそう考えますよね。
うちの会社も表向きにはそうでした。「聞きやすい雰囲気を作りましょう」って。
まず「聞きやすい雰囲気を作る」ことが目標になっている時点で、ン?って思いませんか?
聞きにくい雰囲気である現状を会社も認めているんだ(・_・;)と。
なぜ聞きにくいのか?
まず、質問をすると「なんで分からないの?」「教育でやったでしょ」「当たり前にこうでしょ」「自分で考えて」というスタンスです。
彼女らは、新人の頃からどれだけ優秀な社員だったんだろう。
何十年も働いているあなたの「当たり前」は、入社数ヶ月の新人にとっては全然「当たり前」ではありません。
こちらの状況を考えず、知ろうとせず、一方的に、理不尽に詰め寄られ、悔しい。
私だって馬鹿じゃないので色んなことを考えてお仕事しています。
どれだけ努力しようがそんなこと中々伝わらないですよね。
伝わるような働き方ができていなかった私にも落ち度はありますが。
控えめで気が弱くて常に周りを気にする私にとっては、先輩全員が恐くて、いつまた怒られるんだろうという不安、プレッシャーに押しつぶされそうでカウンターに立つのがとてもストレスになりました。
また、縦社会かつ女性社会独特の空気感、すぐに広まる噂話、誰かの悪口。
ほんの少しのミスや、先輩にとって不都合な行動をするとすぐに陰で愚痴られる世界。
それってたぶん、悪気があるのではなく本人は知らないだけだから、教えてあげれば?って思うような話ばかり。
「私も知らないところで色々言われているんだろうなあ」と思いながら聞いていました。
常に評価されているような感じ。どうか、目をつけられないよう、先輩のご機嫌を損ねないよう気を配りながら、空気を読みながら。
そんなこと気にするな。って言われますが、「気にしない」ことができない人間っているんですよね。
私が考えすぎ、気にし過ぎ、弱すぎなことは私が一番分かっています。
どうかこの面倒くさい性格を卒業できるよう努力中です。
人間関係があまり良くないことは否定できない事実ですが、決して環境それだけが悪いわけではなく、私の受け取り方や感じ方がここの職場の雰囲気に合わなかった。というだけの話だと思っています。
2.仕事内容への不満について
職場の人間関係でのストレスって、その仕事内容が自分の本当にやりたいことで、やりがいを感じていれば、耐えられたり、どうってことなくなったりするのでしょうか?
私の場合は仕事内容にも満足できておらず、もう辞めない理由なくね?となりました。
そもそも私がエアライン業界に入った理由は、海外が好き、英語が好き、日本の玄関口である空港でグローバルに働きたい!という思いからでした。
しかし私の理想とは裏腹に、配属先は国内線担当になってしまいました。
正直英語が得意で強みだった私はショックでしたが、希望する配属先にならないことなんて当たり前の世界であることは理解していたので、我慢。
やってみよう精神は強いので、国内線配属になったからといってやる気を削がれることはなく、必死に学び、時には涙を流しながら、真剣に取り組みました。
しかし入社して半年ほど経ち、人間関係にも不満が募ってきた頃、ふと思いました。
私がここで働く意味とは?これって私がやりたかったこと?
得意の英語は使う機会がほとんどなく日に日に話せなくなり、夢見ていたグローバルな世界とは程遠いザ・日本の世界。
お客様と従業員の立場が対等でない日本のカルチャーが苦手な私にとって、高品質なカスタマーサービスを求められ、お客様を神様にするのは性に合いませんでした。
配属が国内線であろうが国際線であろうが、日本で接客業をするなら同じかもしれないですね。
そもそもこの仕事を選んだことが間違いだったのかも?と思いました。
入社当初は早く色んな仕事を任されるようになりたい!学びたい!と向上心に満ちあふれていましたが、その向上心も次第になくなっていきました。
学びたいと思わない。できること、知識を増やしたいと思わない。この仕事に興味がない。
今でさえ未熟で分からないことだらけで毎日精一杯なのに、どんどん新しい知識を吹き込まれ、業務の幅が増えてしまう。
業務の幅が増えれば増えるだけ、責任も重くなり、どんどんプレッシャーが重くなる。
「これは私のやりたい仕事ではない」という思いが強くなっていく時期に新しい業務を学ぶ機会が重なり、何も頭に入ってこなくなりました。
もう無理かも。と思ってはもうちょっとだけ頑張ろう。と思ったりを繰り返して1ヶ月程経ったある日、ストレスが限界に達し、もう明日から来ない。と決めました。
翌日から仕事にいかなくなりました。
その時のお話は次の記事でお話しようと思います。
適応障害により退職した元エアライングランドスタッフ。
繊細すぎる自分を卒業し強く生きようと奮闘中です。